タイガーウッズがマスターズ2019で、実に14年ぶりに優勝しました。現在43歳のタイガーウッズ。自分よりひと回りもふた回りも若い選手たちの中で、劇的な復活を果たします。
しかし、そんなタイガーウッズの優勝までの道のりはかなり険しいものでした。度重なる怪我の手術にスキャンダル問題、一時は「タイガーウッズも終わった」と言われるほどの問題を抱えていたのも事実です。
では、そんな彼が伝説のゴルファーとして復活するまでにはどんな苦悩があったのか。全盛期の輝かしい実績と、低迷期の苦悩についてご紹介します。
生年月日 | 1975年12月30日 |
出身地 | アメリカ、カリフォルニア州サイプレス |
メジャー最高成績 | マスターズ 優勝: 1997, 2001-2002, 2005, 2019 全米オープン 優勝: 2000, 2002, 2008 全英オープン 優勝: 2000, 2005-2006 PGA選手権 優勝: 1999-2000, 2006-2007 |
優勝数 | PGAツアー:81 (歴代2位) ヨーロッパ:40 (歴代3位) 日本ツアー:2 アジアツアー:1 オーストラリア:1 他ツアー:16 |
天才ジュニアゴルファー時代

タイガーウッズがゴルフを始めたのは、生後9ヶ月の時。2歳になった時にはすでに幼児ゴルファーとして名を馳せるなど、ゴルフの才能はすぐに開花しました。
初めてアメリカで全国規模のトーナメントに出場したのは、13歳の時。
優秀なコーチを迎えたタイガーウッズは、そのまま名門スタンフォード大学に入学します。
そして1992年にロサンゼルスで行われた「ニッサン・オープン」にアマチュアとして出場し、PGA大会デビューを飾りました。
その後、タイガーウッズはアマチュア選手として大活躍。全米ジュニア・アマチュア選手権と全米アマチュア選手権のそれぞれで、前人未到の3連覇という偉業を達成します。
この伝説的な快挙には「タイガーズ・トリプル」と名前がついているほどです。
プロに転向してすぐに世界ランキング1位を獲得
タイガーウッズが初めてマスターズに出場したのは1995年、20歳の時です。
翌年には大学を中退し、本格的にプロへ転向。プロになってからすぐに2勝を挙げ、いきなり世界ランキング33位になりました。
そして1997年、マスターズにて初優勝。
この時の年齢は21歳3ヶ月で、史上最年少での優勝でした。この記録は今だに破られていません。さらにマスターズ初優勝から1年も満たないうちに、なんとマスターズを含む7大会で優勝。プロに転向してからわずか3年で、遂に世界ランキング1位を獲得します。
ちなみに日本ツアーに出場したのは1998年の「カシオワールドオープン」が初でしたが、この時の成績は15位に終わりました。
グランドスラムを3度達成
ゴルフにおけるグランドスラムとは、メジャー選手権を全て制覇することです。
タイガーウッズは2000年から2009年までの間にこのグランドスラムを3度達成。
トリプル・グランドスラムと言われるこの偉業を達成したのは、タイガーウッズとジャック・ニクラス(1978年に達成)の2人のみです。ジャック・ニクラスはゴルフの最多優勝記録保持者で、世界一のゴルファーと言われています。
そんなジャック・ニクラスと並ぶタイガーウッズも、史上最強のゴルファーと言えるでしょう。
全世界を騒がせた不倫スキャンダル問題

スポーツ界のトップスターとして大人気のタイガーウッズでしたが、2009年に不倫スキャンダル問題が発覚します。
タイガーウッズは2004年に元モデルのスウェーデン人女性と結婚し、2人の子どもにも恵まれていました。
仕事もプライベートも順風満帆に見えたタイガーウッズですが、2009年に運転中の車の操作を誤る交通事故を起こします。当初はタイガーウッズの事故による怪我が心配されていました。
しかし、後に事故の発端はタイガーウッズの不倫が妻に発覚したことが原因だったと分かり、世界中にスキャンダルが知れ渡りました。
妻とは2010年に離婚。また、複数居たとされる愛人の暴露によって「セックス依存症」であることも分かり、さらに世界中を驚かせました。
この一連のスキャンダル問題によって、スポンサーの契約破棄が続出。タイガーウッズ自身も無期限でツアーの欠場を表明し、黄金時代に一旦幕を閉じることになります。
怪我の手術に交通事故、続く低迷期
スキャンダル問題でスポーツ選手としての活動を自粛していたタイガーウッズですが、2012年にはPGAツアーに出場し復活優勝を果たします。
翌年もプレーヤーズ選手権で優勝し、タイガーウッズの栄光は取り戻されたかのように思えました。しかし、この後腰に怪我を負いツアーを離脱。マスターズにも出場できず、苦しい怪我との闘いが始まります。
2014年にはなんとか怪我を乗り越えて、全英オープンに復帰します。
ただし、棄権も多く2015年の「フェニックス・オープン」では自己最悪記録である「82」というスコアを叩き出してしまいます。
これらの不調によってタイガーウッズのワールドゴルフランキングは674位にまで転落しました。
さらにこの低迷期に追い打ちをかけたのが、2017年の交通事故です。
鎮痛剤の投薬の影響でふらつきながら車を運転したとして、交通マナー違反で逮捕されてしまいます。この時、話題になったのが逮捕時のタイガーウッズの姿です。投薬の影響でろれつが回らずフラフラと事情聴取を受ける映像や、薄くなった髪の毛に覇気のない表情の写真がニュースで大々的に報道されたのです。
怪我によって不調が続いていた中でのこのタイガーウッズの姿には、世界中が衝撃を受けました。
ファンも驚いたどん底からの復活

タイガーウッズの印象は悪くなる一方で、選手生命はすでに絶たれていたかのようにも思えました。
しかし、2018年に転機が訪れます。
試合に正式復帰すると、これまでの不調が嘘であったかのように素晴らしい成績を出していきました。この年の全英オープンでは強敵揃いの中6位を勝ち取り、完全復帰を果たします。
その後も優勝を繰り返し、かつて3桁にまで落ち込んだワールドゴルフランキングではなんと13位にまで返り咲きました。
この復活劇には、世界中のタイガーウッズファンも驚きました。
そして2019年、遂にその時が訪れます。
マスターズ2019で奇跡の優勝
2019年4月14日のマスターズ2019、優勝したのはタイガーウッズでした。
実に14年ぶり、5度目のマスターズ優勝です。優勝が決定した瞬間のタイガーウッズの大きなガッツポーズはとても印象的で、世界中のゴルフファンが熱狂しました。
試合は決して楽なものではなく、上位選手の誰が勝ってもおかしくないという緊迫した状況でした。
しかし、現地に居た観客は「これはタイガーウッズが優勝するぞ、という空気があった」と語っています。かつての史上最強ゴルファー、タイガーウッズの強い思いと貫禄が、そういった空気を作り出していたのかもしれません。
試合後の会見で彼は、「6ヶ月前から優勝のために考え、調整を行なっていた。」と明かしています。このストイックが、タイガーウッズを再び世界一のゴルファーに君臨させた理由であると言えるでしょう。
タイガーウッズが奇跡の復活を遂げられた理由
奇跡の復活を成し遂げ、世界中を驚かせているタイガーウッズ。
スキャンダル問題に交通事故、度重なる怪我による「どん底低迷期」から彼を救い出したのは、一体なんだったのでしょうか。
タイガーウッズの名言の中に 「僕の財産は精神力です。そして、僕の武器は闘争心です」 という言葉があります。
誰よりもストイックで、強い精神力と闘争心を持っていたタイガーウッズ。世界中からのバッシングや失望を、彼は強い精神力で乗り越えてきました。
そして諦めることなく、復活に向けてひたすら技術面・精神面の向上を訓練してきたといいます。
また、低迷期があったからこそ自分の行いを反省し、周りに感謝できるようになったことも彼を復活に導いた大きな要因に違いありません。
現在、タイガーウッズのメジャー勝利記録は15勝。世界一の伝説のゴルファー、ジャック・ニクラスの世界記録を破るまで、いよいよあと3勝になりました。
奇跡の復活劇を見せてくれたタイガーウッズが、正式に世界一の称号を得られる日はそう遠くないかもしれません。
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