ゴルフの4大メジャー大会の初戦を飾るマスターズ。今年も4月11日から開催されます。アメリカジョージア州にある「オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ」で、招待資格を満たす一流プレイヤーたちの華麗な技を目の当たりにすることができるかもしれません。松山選手を始めとする日本人選手、またPGAランキングにみる今年の注目選手を紹介していきます。マスターズの称号を手にするのは誰なのでしょうか?
聖地 オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ
オーガスタ空港に降り立つと、建物の中央にはレイ・フロイドの銅像が建っており独特の雰囲気が漂います。ここは誰もが憧れる夢の舞台への入口です。
「オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ」は、1934年に第1回のマスターズが開催された場所であり、ほかのメジャー大会とは一線を画し、毎年この地で行われています。
通常のトーナメントではギャラリーと呼ばれる観客のことを、マスターズだけは「パトロン」と呼ばれていることを知っていますか?
以前はオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの会員が資金援助を行い、大会の運営にかかわっていたことや、現在でも大会の入場料が賞金の一部として使用されていることからこう呼ばれています。現地に足を運び、一度は呼ばれてみたいものです。
コースのメンバーは全世界に約300人しかおらず、会員になるには数十年の歳月が必要といわれる格式高いゴルフ場です。
2002年には大規模なコース改修が行われ距離が300ヤード伸び、全長7,445ヤード、パー72と大幅に長くなりました。
マスターズは月曜日から水曜日までは撮影可能な練習ラウンドがあります。子どもを連れていても気軽にみることのできる、カジュアルな雰囲気です。とは言えマスターズ観戦には数多くのルールがあり、持ち込み可能なものや観戦に対しての心得は必要になってきます。
また本コースとは別にパー3コースが9ホール作られており、毎年水曜日には出場プロによる「パー3コンテスト」が開催されています。このコンテストにはプロが家族を連れて登場することでも有名なので、憧れのプロを近くに見る数少ない機会でしょう。
本コースは18ホール全てが名物ホールといっても過言ではないくらいの中、11番ホールから13番ホールは「アーメン・コーナー」と呼ばれており、神に祈らなければ無事に通ることができないといわれる難易度を誇っています。
またグリーンは、小さな傾斜と大きな傾斜が重なっているにもかかわらず、速くて止まらないことから”ガラスのグリーン”や”オーガスタのグリーンには魔女が住む”との異名を持つほど。
毎年18ホールの至る所で繰り広げられるプロの見事なショットに、パトロンの地響きのような歓声と、感動を味わうことができるでしょう。
見どころはほかにも。オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブでは、18ホール全てに個々の名前が付けられており、13番ホールでは名前にもなっている1600本のアザレアが見事に咲き誇り、トーナメントを一層華やかにしてくれています。
活躍が期待される日本人選手たち
2019年マスターズへ招待される日本人選手は小平智選手(RBCヘリテージ2018年優勝)、松山英樹選手(ツアーチャンピオンシップの出場資格獲得)、今平周吾選手(マスターズ委員会による特別招待)、アマチュアの金谷拓実選手(アジア・パシフィック・アマチュア2018年優勝)の4人です。
松山英樹選手はいわずと知れた、日本人で初めて世界選手権を制した選手です。日本では8勝を挙げているほか、アメリカでも5勝を挙げ世界にその名を響かせています。
海外進出後は見違えるほどの肉体改造を行い、現在ドライビングディスタンスで堂々の世界7位を獲得するまでに成長を遂げました。
今平周吾選手は埼玉栄高校1年生の時、日本ジュニアで松山英樹選手との対決を制して優勝し、その後フロリダ州「IMGゴルフアカデミー」に留学。2011年にプロへ転向してからは着実に実力をつけ、全英オープンで初メジャーを経験しています。
165㎝と決して体格に恵まれているとはいえませんが、平均飛距離が約300ヤードとパワーを兼ね備えた選手です。
小平智選手は、ティーショットの正確性に優れたショットメーカーです。
1993年にプロ転向後は日本で7勝を挙げる実績の持ち主。2018年に「RBCヘリテージ」でアメリカ初優勝を飾り、今後が楽しみな選手のひとりへと進化を遂げています。
私生活では2008年に女子プロゴルファーの古閑美保さんと結婚しました。公私ともに充実した小平選手にはマスターズでの活躍が期待されます。
マスターズを制覇する注目選手は?
今大会に出場が予定されている選手たちのなかで、活躍が期待されるのは誰なのでしょうか?PGAランキングをもとに、さまざまな角度から見ていきましょう。
世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンといえば飛ばし屋です。身長193㎝から繰り出される飛距離は圧倒されます。例えばパー4の433ヤードを、あわやホールインワンかと思われるシーンがありました。わずかにカップの12.8㎝につけるという神業で、観客を魅了したことも。今年はドライビングディスタンスが30位なので、少し飛距離が不調なのかもしれません。
2位のジャスティン・ローズは、2002年の中日クラウンズで優勝している選手です。今年から本間ゴルフと用具使用契約を結び、キャディバッグにはカタカナで名前を入れています。クラブに対して細部にまでこだわりを持ち、それに応えた日本メーカーを気に入ったようです。2010年から2015年まで毎年優勝している実力の持ち主。賞金ランキング12位、ポイントランキング11位と総合的に見ても常に安定しているといえるでしょう。
3位はアメリカのブルックス・ケプカ。豪快なショットと繊細なアプローチやパターの技術を併せ持つ、ただの飛ばし屋ではない選手といえそうです。静かで温厚な性格、ゴルフに対して真っ直ぐなナイスガイ。
昨年のアメリカPGAツアーで2勝を挙げ、最も活躍した選手であり今年も賞金ランキング4位、ポイントランキング8位と好調なだけに目が離せません。
4位のジャスティン・トーマスは、史上4番目の若さで世界ランク1位に輝いた選手です。彼は日本期待の松山選手と争うことが多く、松山を押さえて優勝したこともあります。
5位のブライソン・デシャンボーは大学で物理学を学び、全てのアイアンのシャフトの長さ、ヘッドの重さ、ライ角を同じにして腕とクラブを一直線に構える独特のシングルプレーンスイングを実践する個性派。今季は非常に調子が良く、注目のひとりです。
6位にはロリー・マキロイが。マキロイといえば体幹の強さがしっかりとした美しいスイングが目を惹く選手。トップ選手としては小柄にもかかわらず、ドライビングディスタンスは6位と圧倒的な飛距離を誇ります。調子を取り戻しつつあるマキロイにも優勝を狙うチャンスは大きいかもしれません。
今年のランキング上位に入っていなくても活躍が期待される注目選手は数多くいます。
例えば、ジョーダン・スピースは世界ランキング24位と少し出遅れているようですが、2015年にマスターズと全米オープンを制覇、マスターズ4日間でバーディ28回とフィル・ミケルソンの記録を塗り替えている実力者。その後も順調に優勝を重ねているだけに、マスターズの戦い方は熟知しているものと考えられます。
ほかにはアダム・スコットが。タイガー・ウッズにフォームが似ていたことから「ホワイトタイガー」と呼ばれていたこともあります。グリーン上で指をかざしてラインを読むエイムポイントを直に見ることができるかもしれません。
フィル・ミケルソンの活躍にも期待したいところ。年齢的に厳しくはなってきますが、
往年の磨き上げられた小技の数々は、見どころのひとつです。
タイガー・ウッズの豪快なショット、バッバ・ワトソンのドライビングディスタンス1位を獲得する圧巻のパワー。またマット・クーチャーがドライバーで打った後に皆でかけるブーイングならぬ「クー!」の掛け声まで体験できるとしたら、とても楽しみなことです。
さあ、今年はグリーンジャケットに袖を通す感動の瞬間を現地で体験してみませんか?
現地での観戦方法は?
観戦チケット手配はワールドスポーツコミュニティ株式会社にお任せください。