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2019 F1 オーストラリアグランプリのみどころ

4輪モータースポーツの最高峰であるF1は、「コンストラクター」と呼ばれる10チームが各2名、計20名の選ばれた「ドライバー」たちにより、世界中で年間21戦行われるグランプリでチャンピオンシップを争います。

 

3月15日(日)に決勝レースが行われる「オーストラリアグランプリ」でいよいよ2019シーズンの幕を開けるF1は、レギュレーションの大幅な変更や多くのドライバー交代で例年になく見どころが多いシーズンとなっており、世界中のモータースポーツファンの注目を集めています。今回は開幕戦となる「オーストラリアGP」の見どころをまとめてみました。

2019シーズンのF1レギュレーション

F1の「F」は「Formula」の頭文字で、グランプリに参加する全ての人と、タイヤ・シャシー・パワーユニットといった車両に対する「規定」を表しています。

 

これは一般的に「レギュレーション」と呼ばれていますが、2019シーズンのF1では「空力」と「燃料使用量」に対するレギュレーションが大きく変更されました。F1本来の大きな見どころのひとつに後続車による追い抜き、いわゆる「オーバーテイク」が挙げられます。F1マシンは「空力」を利用し、路面にマシンを押し付ける力である「ダウンフォース」を利用して速さを追求していますが、昨シーズンはより大きな「ダウンフォース」を求めた結果、複雑化しすぎた「空力化」により生み出される乱気流が、後続マシンに影響を及ぼし「オーバーテイク」が少なくなってしまいました。

 

これを改善するため、2019シーズンは「フロントウィング」と「リアウィング」の幅を大きくし、そのデザインもよりシンプルにする事で乱気流の発生を抑え、後続車が近づきやすいように「レギュレーション変更」がなされました。また、決勝レースにおける「燃料使用量」も約4.5%増え近年のF1レースで多く見られた低燃費走行を抑制し、見ごたえのあるレース展開が期待できます。

オーストラリアGPの特徴

F1オーストラリアGPは、ビクトリア州メルボルン市近郊にある「アルバート・パークサーキット」で行われます。

 

「アルバート・パークサーキット」は、「アルバート・パーク」という公園内にある人工湖を周回する公道と駐車場を用いた、一年に一度F1レースのために設営される「公道サーキット」です。そのため日々レースが行われている常設サーキットと違い、路面は狭く滑りやすいためドライバーの小さなミスが大クラッシュに繋がることも多く、「セーフティーカー」の出動率が高いことが特徴です。

 

また各コーナーの観客席には「プロスト」「セナ」「シューマッハ」といった往年の名ドライバーの他、オーストラリア出身でルノーF1チームの現役ドライバー「リチャルド」の名も付けられています。

オーストラリアGPの注目ポイント① 王者メルセデスとハミルトン

2014シーズンから5シーズン連続で「コンストラクターズタイトル」「ドライバーズタイトル」を独占している王者「メルセデス」。エースドライバーの「ルイス・ハミルトン」は、2016シーズンこそ個人タイトルをチームメイトに譲りましたが、2017・2018シーズンを連覇し1950年代に活躍したファン・マヌエル・ファンジオに並ぶ歴代2位となる通算5度目のチャンピオンに輝き、まさにF1キャリアのピークを迎えています。

 

今シーズンを制するとなれば、皇帝「ミハエル・シューマッハ」の持つ7度の個人タイトル獲得に王手を掛ける事になります。メルセデスチームも「V6ターボパワーユニット」レギュレーションが2014シーズンに導入されて以降、高次元で安定した速さを見せており、チームタイトル6連覇となれば1999年~2004年にフェラーリが記録したものに並ぶ事となります。

 

今年の2月18日から4日間スペインのバルセロナで行われた全チームが参加するシーズン前の合同テストでは、抜きん出たタイムは出していないものの周回数(=走行距離)は最も多くこなしており、昨シーズンは不振だったセカンドドライバーの「バルテリ・ボッタス」が復調してくれば、シーズン6連覇へ向けて視界良好と言えるでしょう。

オーストラリアGPの注目ポイント② フェラーリとベッテルの逆襲は?

昨シーズンの開幕戦オーストラリアGPを制したのは、「フェラーリ」を駆る「セバスチャン・ベッテル」でした。続く第2戦バーレーンGPと連勝し、シーズン中盤までチャンピオン争いを優位に進めていましたが、シーズン終盤戦はミスに泣きチームは2008シーズン以来の「コンストラクターズタイトル」、ベッテルは2013シーズン以来の「ドライバーズタイトル」獲得はなりませんでした。

 

しかし、昨シーズンの時点でパワーユニットの性能はメルセデスを上回ったともささやかれており、今シーズンは期待の若手ドライバー「シャルル・ルクレール」をチームに迎え、合同テストでも初日と2日目にトップタイムを記録しメルセデスに次ぐ周回数を順調にこなすなど好調ぶりが光っており、「フェラーリ」は打倒「メルセデス」「ハミルトン」の最先鋒と言えます。

オーストラリアGPの注目ポイント③ レッドブル&ホンダパワーユニットは優勝争いにからめるか?

日本のF1ファンの注目を最も集めているのが、今シーズンから「ホンダ」製パワーユニットを搭載する「レッドブル」ではないでしょうか。2015シーズンにF1の舞台へ戻ってきた「ホンダ」ですが、2017シーズンまではパワー不足と信頼性の問題で不調に終わっていました。

 

しかし、「レッドブル」の姉妹チームである「トロロッソ」に供給先が変わった昨シーズンは、第2戦の決勝レースで「ピエール・ガスリー」が4位入賞し、予選でも度々上位にくい込むなど着実に上位との差を縮めて、速さと信頼性に欠ける「ルノー」製パワーユニットに悩んでいた「レッドブル」の信頼を得るに至り、晴れてトップチームの「ワークスパートナー」としてパワーユニットを供給する事になりました。

 

合同テストでは「レッドブル」「トロロッソ」の2チーム合計で、パワーユニット別では2番目に多い周回数をこなしており、その順調さがうかがえます。マシン設計は、「空力の鬼才」の異名を持つ「エイドリアン・ニューエウィ」が担っており、空力レギュレーションの変更にも柔軟に対応してくることが期待できます。ドライバーは、若干18歳でのF1歴代最年少優勝記録を持ち、4年目の昨シーズンは非力なマシンで2勝を挙げて個人年間総合4位となった驚異の若手「マックス・フェルスタッペン」と「トロロッソ」でのデビューからわずか1シーズンで昇格を果たした「ピエール・ガスリー」の2人で今シーズンに挑みます。

 

進化を遂げた「ホンダ」を搭載した鬼才の産み出すマシンと強力なドライバー陣で、開幕戦オーストラリアGPから優勝争いに絡んでくることが期待できます。

オーストラリアGPの注目ポイント④ 熾烈な中団争いも見逃せない!

「メルセデス」「フェラーリ」「レッドブル」の3強から昨シーズンまでは大きく離されている感のある中団チームですが、ドライバー変更やトップチームからのパーツ供給の恩恵を受けるなど、各チームとも戦闘力アップが見込まれ混戦模様となっています。

 

中でも注目したいチームは、「ルノー」「アルファロメオ」「トロロッソ」の3チームです。昨シーズンはコンストラクターとして総合4位を獲得しフルワークス体制で4シーズン目に挑む「ルノー」は、通算7勝を挙げている現役屈指のドライバー「ダニエル・リチャルド」を獲得し、安定した走りに定評のあるドライバー「ニコ・ヒュルケンベルグ」のコンビで上位進出を狙っています。

 

今シーズン「ザウバー」から名称変更し、フェラーリから強力なパワーユニット供給を受ける「アルファロメオ」は、ドライバーに2007シーズンチャンピオンのベテラン「キミ・ライコネン」を迎え、合同テストで「メルセデス」「フェラーリ」に次ぐ周回数を順調に走り込み好調ぶりがうかがえます。

 

昨年に引き続き「ホンダ」製パワーユニットを搭載し「レッドブル」と多くのパーツを共有する「トロロッソ」は、2位表彰台の経験もあり2シーズンぶりのF1復帰となる「ダニール・クビアト」と合同テストで総合2番手タイムを記録した期待のルーキー「アレクサンダー・アルボン」のコンビでサプライズを狙っています。

オーストラリアGP決勝をリアルタイムで観る

ここまで2019F1オーストラリアGPの見どころをお伝えしてきましたが、この注目のレースはぜひリアルタイムで観る事をおすすめします。

 

オーストラリアGPが行われる南半球のメルボルンと日本の時差は2時間で、決勝レースは日本時間3月17日(日)の14時10分にスタートが予定されており、時差の大きい欧米で行われるレースのように夜更かしして観る必要がありません。

 

現地で観戦したい方はまだまだチケットの手配も可能ですし、現地に行けない方も日本国内のWSCスポーツラウンジでパブリックビューイング&レーシングシミュレーター体験が予定されています。ぜひリアルタイムでお気に入りのチーム、ドライバーを応援しましょう。

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