FCバルセロナの本拠地があるスペインのバルセロナ。
サッカーファンであれば、一度はカンプ・ノウスタジアムでメッシやネイマールのプレイを見たいと思ったことがあるはずだ。
もちろん、ファンにとってはFCバルセロナの試合観戦が旅の一大イベントになるが、せっかくバルセロナまで行くのだから観光も楽しみたいところ。
バルセロナは観光都市としても有名。
誰もが知っているサグラダ・ファミリア大聖堂以外にもアントニオ・ガウディが建設した様々な建築物や公園、地元の人々の活気が楽しいランブラス通り、ピカソ美術館など、どれをとっても主役級の観光名所が揃っている。
また、スペインの中でもフランスやイタリアの影響を色濃く受け、カタルーニャ地方の中心都市として独自の文化を築いてきたバルセロナでは食文化も独特。試合観戦後にお腹が減っても食べにいける深夜営業の店もあるので安心だ。
この記事では、夜にはサッカー観戦に行く前提で日中のバルセロナ観光を120%楽しむポイントをギュッと絞った観光プランを紹介する。
簡単にわかる!バルセロナ観光のポイント
バルセロナは「一つの都市に二つの町がある」と言われる都市。
歴史あるゴシック地区を中心とした旧市街と、それを取り囲む新市街が共存しているからだ。
観光の際は、旧市街を中心に、郊外にあるガウディの建築物などをバランスよく組み合わせて観光したい。
まず、旧市街ではカテドラルに代表される歴史的建築を訪れ、ピカソ美術館、ダリ美術館など一流の芸術作品に触れるのが良いだろう。
旧市街は一か所に集まっているので、徒歩で名所を巡ることができるコンパクトさも魅力だ。
そして、旧市街以外の観光ではガウディの建築物の観光をメインに据えたい。
サグラダ・ファミリア大聖堂はもちろん外せないが、それ以外にもガウディの作品に溢れたグエル公園や「石切り場」の異名を持つカサ・ミラなどを訪れると、ガウディの新たな魅力を発見できるだろう。
名所以外にも、バルセロナのメインストリート、ランブラス通りで人々の活気を感じるのもおすすめだ。
みやげ物屋やレストランが通りの両脇に並び、サン・ジョセップ(ボケリア)市場では地元の食材をその場で楽しむことができる。
市場内のバルで好みのタパスをつまみながら、昼から軽く一杯飲むのは最高の贅沢。
バルセロナ観光1日モデルプラン
1日でバルセロナ観光を思いっきり楽しむには、以下のタイムスケジュールで動くのがおすすめだ。
日中に観光を楽しんで、夜にはサッカー観戦。そして興奮冷めやらぬ1日の終わりにカタルーニャ料理で一杯飲んで眠るプラン。
10:00 ゴシック地区
まずは見どころ満載の旧市街、ゴシック地区から1日がスタート。
地下鉄ジャウマ・プリメ駅を降りて歩き始めると、ほどなく高さ92mの鐘塔が備わったゴシック様式のカテドラルが現れる。
バルセロナの歴史や雰囲気を感じる意味でもこのカテドラルと、これまたすぐ近くにある「王の広場」をバルセロナでの1日の始まりに観光することがおすすめだ。
王の広場でバルセロナの歴史を感じたら次は芸術に触れてみよう。
旧市街の近くにはダリ美術館やカタルーニャ音楽堂、フレデリク・マレー美術館があり、少し離れたところにはバルセロナ現代美術館もある。
芸術に興味がある人は数日間滞在してゆっくりと味わいたいところだ。
今回のプランでは、長く時間をとることができないので王の広場からほど近いところにあるピカソ美術館に行ってみよう。
ピカソ美術館では、14歳からバルセロナで過ごしていたピカソの初期の作品を見ることができる。ピカソといえば独特の作風で知られているが、ピカソ美術館では彼が子ども時代に描いた落書きなども見ることができて、天才のセンスにどっぷりと浸かることができる。
館内はそれほど広くないので、1時間もあればざっと見られてしまうが、入り口で行列になっていることも多いので時間には余裕をもって動きたいところ。
地下鉄4号線ジャウマ・プリメ駅下車すぐ
12:00 ランブラス通り
ゴシック地区でバルセロナの文化や芸術を楽しんだら、次はランブラス通りで地元の活気に触れてみよう。ゴシック地区から徒歩で行ける。
ランブラス通りでは、通りの両脇にたくさんのみやげ物屋やレストラン、ホテルなどがあり、いつ行っても観光客や地元の人でにぎわっている。
特におすすめなのが、ランブラス通りに面しているサン・ジョセップ市場。
地元の人からは胃袋を意味する「ボケリア市場」と呼ばれていて、文字通りバルセロナの人々の胃袋を支えている市場だ。
ランブラス通りから市場に入っていくと、広大な敷地に約200店舗が入っており活気に満ち溢れている。魚介売り場に生ハム売り場などは見ているだけでも楽しいけれど、せっかくなのでランチ代わりに新鮮なフルーツや生ハムを買って食べてみたいところ。
ランチにはボケリア市場で好みのものを食べるのがおすすめだが、腰を落ち着けてゆっくり食事をしたい人向けには、ランブラス通りに多くの飲食店がある。
14:00 サグラダ・ファミリア大聖堂
お腹も満たされたところで、いよいよサグラダ・ファミリア大聖堂に行こう。地下鉄2号線、5号線のサグラダ・ファミリア駅を降りればすぐに到着する。圧倒的なスケールと独特の建築様式を持つこの建築物は、1882年の着工から今でも工事が進められており完成は2026年予定だ。
建築途中ではあるが、中に入ることもできるし(要入場料)、博物館もある。サグラダ・ファミリア大聖堂の手前には池があるので水面に映る荘厳な建築を楽しむのも、また風情がある。
今回は日中に訪問するプランだが、夜にはライトアップされているので夜に時間がある人は行ってみることをおすすめする。
地下鉄2号線、5号線サグラダ・ファミリア駅下車すぐ
15:30 グエル公園
サグラダ・ファミリア大聖堂を見終えたら、引き続きガウディ建築の世界観に浸ろう。
町の中心から少し距離があるが、ガウディの作品が至る所に配置されたグエル公園には是非行ってほしい。
サッカー観戦まで時間があるようなら、ガウディが作った印象的なベンチで人休みしよう。
地下鉄3号線レセップス駅下車徒歩20分
18:30 試合観戦(時間は一例)
グエル公園からカンプ・ノウスタジアムまでは地下鉄3号線で行ける。
スタジアムにアクセスが良い駅はマリア・クリスティーナ、パラウ・レイアル、ラス・コルツだ。ちなみに、スタジアムまでは、地下鉄5号線コイブラン駅、バダル駅からもアクセスが良い。
リーガ・エスパニョーラの試合時間はいくつかの時間帯があるので、自分が観戦する試合時間に合わせて動こう。帰りの駅は非常に混雑するため、事前に帰りの切符を購入しておくことをおすすめする。
<ラ・リーガ 日程振り分け実績>
○金曜日 1試合 21:00
○土曜日 4試合 13:00/16:15/18:30/20:45
○日曜日 4試合 12:00/16:15/18:30/20:45
○月曜日 1試合 21:00
※あくまで原則ですので上記の通りではない場合も有り
わくわくの試合観戦
初めてカンプ・ノウ(試合会場)に訪れたらまずその大きさに驚く。
何と言っても収容人数98,000名なので規模感に興奮する。
そして、これだけの収容人数なので致し方ないと思うが席が狭い。
しかしながら、それはそれで周りの観客との一体感があったりもする。
みんなひまわりの種を食べながら観戦するので、席の下にはひまわりの種のカスで埋め尽くされているが、これはこれで雰囲気がある。
日本との違いを一番感じたのは観客の熱量だ。
決して、激しく危険という意味でなく、みんなサッカー=人生=文化のような感覚。
一例としては、5-6歳の男の子・女の子が審判のジャッジにヤジを飛ばす。
80歳ぐらいの男性もラジオを聴きながら観戦して、同様に審判のジャッジにヤジを飛ばす。
その光景を見ているのが楽しい。
スペインでサッカーを観ているんだ!と実感する。
サッカー自体ももちろん楽しいが、スポーツを通じてその国の文化、もっと言えば、その地域の文化を感じることができる、普通に会話しているだけでは味わえない、サッカーを通じたコミュニケーションがとても心地よい。
これが海外旅行、海外スポーツ観戦の醍醐味だと強く感じる。
試合観戦後
23:00 ちょっと遅めのディナー
試合観戦後には盛り上がった気持ちのまま、さっき目にしたスーパープレイを語り合いたいところ。バルセロナにはバルが点在し遅くまで営業している店も多いから安心だ。
おすすめしたいのは、旧市街にある7portes(セッテ・ポルタス)。
カテドラルや王の広場から徒歩5分の距離にあり、1836年に創業したバルセロナで最も歴史のあるレストランでカタルーニャ料理を堪能することができる。
建物自体が国の歴史的建造物に指定されていて、歴史を感じさせる重厚な佇まいだ。夜1:00まで営業している。
紹介しきれなかったおすすめスポット
1日観光プランには含めることができなかったが、おすすめの観光スポットを2つ紹介したい。
1つは旧市街の西にあるモンジュイックの丘で、
もう1つはランブラス通り近くにあるガウディの建築、グエル邸だ。
- モンジュイックの丘
旧市街の西にあるモンジュイックの丘は、小高い丘だ。
広大な敷地には、スペイン村やミロ美術館、モンジュイック城があり、ゆっくりと過ごすことができる。数日間滞在できる人は是非行ってみて欲しい。
特に、モンジュイック公園からモンジュイック城に向かうゴンドラはおすすめで、天気が良ければバスセロナの町を一望できる。
- グエル邸
バルセロナのメインストリート、
ランブラス通りの観光ついでに立ち寄れるガウディの建築。
グエル公園まで足をのばす時間が無い人は行ってみることをおすすめする。
おすすめレストラン
バルセロナは、魅力的なレストランやカフェが至る所にある都市。
1日観光プランで紹介しきれなかったおすすめのレストランを紹介する。
- 4Gats(クアトラ・ガッツ)
王の広場やカテドラルから北に向かって徒歩5分の距離の歴史あるカフェ。
若き日のピカソが通い詰めたカフェで、昔からの家具も残されているので当時の雰囲気を楽しめる。カフェスペースとレストランスペースに分かれているので、用途に合わせて使えるのも魅力だ。
- フレスコ
10ユーロほどの値段でお腹いっぱい食べられる、ブュッフェ形式のレストラン。
スペイン各地で展開しているチェーンで、バルセロナには17店舗がある。
予算があまりないときや、とにかくお腹いっぱい食べたいときにおすすめ。
観光・観戦にサイコーな街
バルセロナ観光では、旧市街の歴史ある街並みや芸術を堪能することと、アントニオ・ガウディの建築物に触れること、そしてランブラス通りで地元の人々の活気に触れることがおすすめ。
夜のサッカー観戦が最高に楽しいのは間違いない上に、日中もバルセロナの雰囲気を存分に楽しむことができたら旅が何倍も楽しくなることうけ合い。
バルセロナは、パリやロンドンなど、他の西欧の大都市に比べて気取ったところがあまりなく、現地の雰囲気を感じながら過ごすことができるので、自分なりの楽しみ方を見つけられるのも魅力だ。