2019年9月20日から11月2日に日本で開催される第9回ラグビーワールドカップ。
予選プールでは、各プール内総当たりで4試合行い、勝点で上位の2チーム合計8チームが決勝トーナメントに進みます。
日本代表は「プールA」に入り、アイルランド、スコットランド、ロシア、サモアと対戦します。
世界ランキング2位の実力にふさわしいアイルランド
日本が入るプールAに立ちはだかるのは2019年2月現在、世界ランキング2位のアイルランドと世界ランキング7位のスコットランドです。
アイルランドは2018年秋のテストマッチで世界ランキング1位のニュージーランドに勝って4戦全勝で終えました。
2018年のテストマッチ成績を見ても11勝1敗とその強さは計り知れません。
今年のW杯優勝候補の一角として名を連ねています。
日本との対戦成績は9戦9勝、まだ一度も日本はアイルランドに勝ったことがありません。
日本とアイルランドの対戦は9月28日、静岡県の小笠山総合運動公園エコパスタジアムで開催されます。日本は果たして、2015年の南アフリカ代表戦以来の大金星になるのでしょうか。
アイルランド代表の注目選手はスタンドオフのジョナサン・セクストンです。
セクストンは2018年ワールドラグビーの年間最優秀選手に選出されるほどの実力者です。
ラグビーシックスネーションズでは、終了間際でドロップゴールを決め、フランスに勝利しました。しかも、このフランスとの試合では、全得点をあげる大活躍です。
総合的にバランス力のある選手で、ゲームメイクがとても上手な選手です。
北半球を代表する選手といっても過言ではないでしょう。
育成が実を結び始めたスコットランド
世界ランキング7位のスコットランドも侮れません。
1991年のワールドカップでベスト4に入賞した以来、遠ざかっているが、日本とのワールドカップの試合では3戦全勝と格上の相手です。
近年、ラグビー選手の育成やスカウトに力を入れており、ここ数年で7位まで順位を上げてきました。
攻守のバランスが整っており、2017年のシックスネーションズでは、格上のアイルランド代表に勝利しています。
スコットランド代表の注目選手はスクラムハーフのグレイグ・レイドローです。
レイドローは冷静な判断力かつ強気なゲームコントロールをする能力が高い選手です。
視野の広さからスタンドオフもできるのではないかといわれています。
2015年のワールドカップではキャプテンに就任し、チームをベスト8まで導きました。
また、日本との試合の時も得点を決めています。
2018年に約1年ぶりに代表に復帰したレイドローは今回のワールドカップでどんな活躍を見せるのでしょうか。
またまた大金星なるか。日本代表
2015年にはスポーツ史に残るとまでいわれた、南アフリカの大金星が印象深いでしょう。
あの頃からラグビーに興味を持った人も多いのではないでしょうか。
日本代表は体格やスピードでは他の国に劣ってしまいますが、精神面や我慢強さは他の国に負けないものを持っています。
相手が疲れてきた頃に日本代表の強さが引き出されるでしょう。
今回のワールドカップでも、日本代表の強みを最大限に生かして、2015年のような感動をもう一度与えてくれることを期待したいです。
日本代表の注目選手はウイングの福岡堅樹選手です。
2015年のワールドカップでも驚異的なスピードで試合を大きく動かしました。
今回のワールドカップでも先発出場が期待されています。
2016年にプロのラグビー選手になった福岡のさらなるスピードに目を離すことはできません。
常勝軍団ニュージーランドは今年も立ちはだかる
プールBで絶対に見逃せないのはニュージーランド代表です。
「オールブラックス」の愛称で親しまれるニュージーランド代表はラグビーワールドカップでは3回の優勝回数を誇り、前回と前々回大会で連覇をしています。
すべてのポジションで世界的活躍をする選手がそろっているニュージーランド代表は今年のワールドカップも淡々と頂点を狙っています。
ニュージランド代表選手で注目したいのはスタンドオフのボーデン・バレットです。
3兄弟でニュージーランド代表に入っているボーデン・バレットは2016年と2017年にワールドラグビー最優秀選手にも選ばれています。
ニュージーランド代表チームでは司令塔としてチームを引っ張ります。
プレースタイルはキックを使った冷静なゲームコントロールが特徴で、ランでもトライを重ねる攻撃力が高いスタンドオフです。
2019年のワールドカップでもニュージーランド代表チームの中心としてチームを3連覇へと導いていくことでしょう。
若きスターを要する南アフリカ
世界ランキング5位の南アフリカは1995年と2007年のワールドカップで優勝している強豪国の一つです。
2015年のワールドカップでは日本に敗れはしたものの、3位の成績を収めています。
2018年にはニュージーランド代表に勝利するなど、実力をさらに上げてきた南アフリカ代表は今回も強豪国を破ってベスト4までいくのでしょうか。
注目選手はフッカーのマルコム・マークスです。
2017年には南アフリカの最優秀選手と新人賞に選ばれた若きスター選手です。
恵まれた体格でジャッカルを得意とする選手です。南アフリカ代表をこれから牽引する実力者でしょう。
エディー・ジョーンズはイングランドにも奇跡を巻き起こすか
プールCはイングランドにアルゼンチン、そしてフランスと世界ランキングトップ10に名を連ねる国が3つもあるのです。レベルの高い試合が期待できるでしょう。
どのチームが決勝トーナメントへ進むのか目が離せません。
現在世界ランキング4位に入っているイングランド代表は2003年のワールドカップで優勝を飾っています。
現在の代表監督は元日本代表監督も歴任した名将エディー・ジョーンズです。
2019年の現在開催されているシックスネーションズでは王者アイルランドに勝利し、いいスタートを切りました。
ワールドカップの前哨戦ともいわれている今年のシックスネーションズで勢いをつけたいところです。
前回のワールドカップでは母国で上位入賞を果たせなかったイングランドは今年、どのような戦いを見せるのでしょうか。
そんなイングランド代表の注目選手はフランカーのクリス・ロブショウです。
2009年からイングランドの代表として活躍しているロブショウは突破力が特に優れており、キャプテンも務めたイングランドの大黒柱ともいえる存在です。
現在はケガで戦線を離脱していますが、ワールドカップには代表選手として復帰するでしょう。
ワールドカップまでに立て直せるかアルゼンチン
2007年のワールドカップでは3位に輝いたアルゼンチン代表も目が離せません。
2015年も優勝候補といわれていたアイルランドも破って4位の成績を収めています。
秋のテストマッチでは欧州チーム相手に全敗を喫してしまったが、ここからワールドカップまでに立て直すかも注目です。
死の組を勝ち抜け、またベスト4まで進むことができるのでしょうか。
アルゼンチン代表の注目選手はバックスのフアンマルティン・フェルナンデスロペです。
クラブチームでもチームを優勝に導く知性と経験が今年もアルゼンチン代表を上へ押し上げてくれるはずです。
シャンパン・ラグビーの異名を持つフランス
フランス代表は「シャンパン・ラグビー」と呼ばれるプレースタイルが特徴的だ。
シャンパンの泡のようにタックルされても、何人もの選手が次々とやってきます。
その結束されたチーム力でトライを奪いにいく超攻撃型のラグビーを仕掛けてきます。
ワールドカップでも上位入賞を果たすチームは死の組でどんな輝きを見せるのでしょうか。
注目選手はウイングのビリミ・バカタワです。
セブンズの代表としても活躍をするバカタワはキレのあるステップが武器の選手です。
ワールドカップではその華麗なるステップで敵を翻弄させることでしょう。
ぜひ、近くでバカタワの動きを見てみてください。
トップ3のウェールズ。復調を維持できるか
世界ランキング3位に入っているウェールズが入るのはプールDです。
多彩なパスワークと大胆なランでトライを狙いにいきます。
一時は低迷気味だったウェールズですが、ここに来て復調の兆しが見えています。
プールD最大の注目チームです。
そんなウェールズ代表の注目選手はフランカーのサム・ウォーバートンです。
世界的フランカーであるウォーバートンは2011年大会では22歳でキャプテンに選ばれるなど、若い頃からウェールズ代表を引っ張っています。
ジャッカルの名手ともいわれており、豊富な運動量でボールを奪いにいきます。
衰え知らずの身体で今年のワールドカップも活躍することでしょう。